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真空管のギターアンプには電源スイッチが2つ有ります 「POWER SWITCH(パワースイッチ)」と「STANDBY SWITCH(スタンバイスイッチ)」です パワースイッチを入れた後に、暫く時間をおいた後にスタンバイスイッチを入れると音は出ます 「なんで2つ有るの」と感じた人も多いと思います 公房内に来ていただいている方々からの質問でベスト3に入る質問だと思います 自分なりに分かりやすく解説してみようと思います |
真空管はいくつかの電圧を掛けて動作させます 1つは「ヒーター電圧」、もう1つは「B電源」と呼ばれます ギターアンプの場合マイナス電圧を作りパワー管に「バイアス電圧」を別に掛ける事が多いです フェンダー、マーシャル等のハイパワーのギターアンプは、この3つの電圧で動作していることが多いです |
今回は一番オーソドックスな回路、フェンダーのツインリバーブやマーシャルの1959などを基準に話を進めていきます まずパワースイッチをオンにすると「ヒーター電圧」とパワー管に掛ける「バイアス電圧」がアンプ内部で作られて真空管に電圧が掛かります パワースイッチをオンにした時に真空管の内部がオレンジ色に明るくなるのは ヒーター電圧が掛かった状態です、ヒーターが点灯して真空管を暖めます ヒーター電圧はAC(交流)で6.3ボルトもしくはDC(直流)で12.6ボルト位です、まれにDCで6.3ボルトでヒーターを点灯させるときも有ります この状態の真空管には、とても低い電圧しか掛かっていません 車に例えると、まだエンジンは掛からず、車内部の電気系統が点灯したような状態です |
「パワースイッチオンで真空管を暖める」というのは パワースイッチオンでヒーター電圧が掛かり、カソードと呼ばれる電極を暖めている状態のことです 真空管が充分に暖まり、パワー管にバイアス電圧がしっかり掛かったら スタンバイスイッチオンです(車に例えると、エンジンが掛かった状態です) これで真空管に初めて高い電圧が掛かります スタンバイスイッチはアンプの高電圧「B電源」と呼ばれる高い電圧をオンオフしています(一部例外も有ります) 右の画像のように光っているのがヒーターです 光っている状態を見ると高い電圧が掛かっていると思われがちですが 実際は、とても低い電圧で点灯しています |
簡単にまとめると「パワースイッチオン」はカソードを暖めている状態 車に例えるとエンジンも掛からないで、電気系統に電圧が掛かった状態です 「スタンバイスイッチオン」で真空管に高い電圧が掛かり電流が流れます スタンバイスイッチで高い電圧のオンオフと思ってもらって大丈夫です なぜこんなことを書いたかと言うと、次回に「パワースイッチONの後、スタンバイスイッチは何十秒又は何分空けてONするのが良いか?」を書きたかったからです 実験してから書きますので暫くお待ちください |
マーシャルのJVMシリーズはパワースイッチオン状態で プリアンプ部は働いている状態です プリアンプ部の真空管12AX7には高い電圧が掛かっています その為スタンバイスイッチを入れなくても「サイレントレコーディング」が出来ます パワー管は動作していないためスピーカーアウトからは音は出ない仕組みです このように例外なアンプも有ります |