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エンパイア カスタム アンプリフィケーション(E-C-A)は
楽器アンプ、エフェクターの修理、製作専門とする公房です。

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フェンダーアンプリンクの不都合 Fender Amp Link
         
A/B OUT Box (PHASE SW)の使い方



フェンダーのアンプを画像のようにリンクする方が時々います

マーシャルの4インプットのアンプをリンクする時は問題ありませんが
Fendarアンプは、この時に不都合が生じます
ノーマルチャンネルとヴィブラートチャンネルの位相が逆転している為に
ある位置で極端に音が小さくなるからです




リンクとは?

呼び方は色々有るようですが
インプットジャックの@にギターを入れたら同じチャンネルのAから
短いシールドで他のインプットジャックの@に入れることです

画像のような状態を言います

位相の逆転とは?

簡単に言うとピックアップのプラスとグランド(アース)側の線を逆にしてつないだ状態です
例えばレスポールのフロントP,UとリアP,Uのどちらか片方を逆につなぐことです
ギターの場合はリアとフロントをミックスした時に「音が小さくなる」、「ミドルが消える」などの症状が出ます

         

このアンプはフェンダーのツインリバーブと呼ばれるアンプです

条件は
右のチャンネル
ヴィブラートチャンネルをボリューム、トーン全て5にします
マスターボリュームはキャンセル(10)にします
他は全て(0)です

その時に50ワット出るように波形を入れます




         

これが50ワット出ている状態です


壊れてなく正常な波形です




         

上記の時にノーマルチャンネルとヴィブラートチャンネルの
インプットジャック
をリンクします(ページ一番上の画像になります)

ギターはヴィブラートチャンネルにつなぎます














Aの画像の状態はリンク常態で、ノーマルチャンネルのボリュームを
上げていっている時です
スピーカーから出ている音が小さくなっていきます
ノーマルチャンネルのボリュームを上げたのに音量は落ちます
波形も小さくなっています

ノーマルチャンネルのトーンは全て5です











Bの状態は最も音が小さくなっている状態です
50ワット出ていたのに、この時は17ワットくらいまで落ちています

この時の状態は
ヴィブラートチャンネルのツマミのメモリは5です
ノーマルチャンネルはトーンは5 ボリュームは7〜8の間位になりました
両方のチャンネルのボリュームが上がっているのに音量が落ちてしまいます










Cはノーマルチャンネルのボリュームを回し続けると
逆に波形は大きくなります
音も大きくなってくるのが分かります














Dノーマルチャンネルをそれでも回します

@の画像とAの画像が反転した様になっているのが分かるでしょうか?

山と谷が逆になっています




         

こういう風な画像を見ると分かりやすいです
これは逆相と言われている波形です
山と谷の位置がお互い逆になっているでしょう?

フェンダーはノーマルチャンネルとヴィブラートチャンネルは
逆相で出力されます

その為リンクするとお互いが打ち消しあう状態になる時が有ります
一番打ち消しあうのが上のBの画像状態です
音が小さくなってしまいます

Dはノーマルチャンネルのプリアンプアウトのレベルが
ヴィブラートチャンネルより大きい為にDの様になり
それなりの音量が出てしまいます

分かりづらいとは思いますが
@〜Dの画像では位相が、ずれて行くので波形の山と谷が横へ
流れていくのも分かると思います

バンドの中でインプットジャックを差し替えると「音が抜けない」
「音が前に出てこないで、音が散った感じになってしまう」時は位相が
バンド内で逆になっている時が考えられます





このようにフェンダーアンプは位相が逆になるので
リンクの使用は推奨いたしません
(逆相になるのはフェンダーのアンプ全てでは有りません、
また他社メーカにもこの様な症状が出るものも有ります)



         

「マーシャルはリンクして問題ないのに」と思っている方もいるはずです

リンクして問題なく音を出す方法も有ります
次回その続きを書きます






         

Fenderアンプ等でインプットジャックが二種類有り、位相が逆転しまうアンプには位相スイッチ(フェイズスイッチ)の付いているA/B-BOXが必要になります

1in 2outのBOXです
右のスイッチは踏むたびにAアウトとBアウトが交互に出力されます

左のスイッチを踏むとABが同時に出力されます
下が簡単な図解です




         
A-outの横のスイッチで「A-out」の位相を逆転させます
(つなぎ方はA-outをヴィブラートチャンネル、B-outをノーマルチャンネルでもかまいません)

「Both」スイッチをオンにした時に、位相が合うようにトグルスイッチを切り替えれば、音は打ち消しあわなくなるように成ります
Bothスイッチオン時に音が前に出てくるようになれば位相が合っている状態です

上の画像ではアンプ1台ですが2台のアンプを用意して交互にアンプの音を
出したり、同時に出すことも可能になります
例えば1台はマーシャル、もう一台はクリーント−ン用にフェンダーをつなぐのも可能になります

「音抜け」と言うのは音色も関係有りますが、位相も関係してることが有ります

         

右の画像はBothスイッチがオンの状態です
A,B共に音が出ています

         

AorBを交互に踏んだ時です

交互にA-out B-outとなります