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今回は少しイレギュラーな改造です Marshall1959を1967Major に改造という作業です 1967Majorというアンプは出力200W(タイピングミスじゃないよ)の マスターVol無しのアンプです コントロールのレイアウトは1959や1987と同じになります 1959は出力が100Wですので、 100Wの出力の1967Majorに改造となります 回路のコピー以外にN.F(ネガティブフィードバック)の量や アウトプットトランスのSGタップ(UL端子)などの違いを考慮しての 再設計になりそうです |
改造前の1959です リミテッドエディションの物です トーレックスと呼ばれる外側に貼る合皮?の色が違います 中身はプリント基板で組まれ部品も美しく配列されています 基板からVolポット、真空管ソケット、ジャックは 全て線材で手半田で結線されています 今でも1959はこのように手作業が多い状態で作られています 凄いですね 一時期ハンドワイヤードが流行った時があり、 各社メーカーが自社の往年の名器をハンドワイヤードで 生産販売していたブームがありました Marshallも1959H.Wという型番で製造していました 「ハンドワイヤード?プリント基板がハトメ打ち基板代わるだけで ウチの工場要員から見たら、全然楽勝なんだけどw」って思っていただろうなぁと思います 実際上がってきた物はトランス、抵抗、コンデンサ等全て新規部品で組まれて美しい配線でした 中身見たときは「うわぁMarshallがガチで作るとすごいなぁ」と感じた記憶あります 一番下のLCRと表記されているものは電解コンデンサです この電解コンデンサは意外と丈夫だったと思います 平気で20年以上ハムノイズ出さないの、 パーツ屋さんの「電解コンデンサは消耗品だからねぇ〜 早めに買えないとだめだよ〜」と言う発言を全否定(笑) 個人的な意見ですが、「劣化した部品は音がいい!!」と思います 電解コンデンサのショートは故障時にアンプに深刻なダメージを与えますが 劣化した部品が出す音は刺々しく無くていいなと感じます 使い込まれたアンプっていい音だなって感じます 製造年ではなく、そのアンプが何時間音を出したか?がアンプの音に影響するような気もします |
改造に入ります、回路は1959に比較的似ていますが 12AX7の乗数変更で12AU7に変更 12AU7のフェイズインバーター手前で PK分割という変わった回路が組まれています それによりネガティブフィードバックのかかる位置が1959と違います プリント基板上にラグ板立てて抵抗やコンデンサを追加したり プリント基板のパターンを切ったりします 乗数の違いが多いため黄色いコンデンサはマロリーに変更しています 一番下の電解コンデンサはぴったりの数値がなかったので 並列につないで同じ容量の電解コンデンサを作りました 今回の改造までのいきさつは、 「1959をKT88改造+マスターVol取り付けできますか?」というメールからリーチーが好きならMajorに改造変更してみては? という流れでした お客様はご自分でトレブルブースターも作ってしまう人 (マジですか改造のプレッシャーMAXなんですけど) それ以外にも驚きのお話など...逸材っているんだなと感じます ここにくるお客様のバックグラウンドって色々すごすぎ 本一冊書けるくらいの濃い人生の方多すぎです |
回路の改造以外はマスターVol(マスターアッテネーター)の追加です PUSH PULLで回路のキャンセル、ON OFFが可能です スタンバイスイッチ入れたままで クリックノイズなく無音で切り替わります パワー管はスベトラーナ製のKT88×4本です 最後にバイアス調整します、お客様の好みを聞いてある程度予測立てて 音出しをしながら調整 その時に「Marshallが100WMajorを作ったらN.Fはどの位戻しただろうか?と推測しながら乗数変更もしました」 悩みどころでもあります もちろん使用したギターはシングルコイルのストラトです |
交換した部品です 12AX7を12AU7へ その他、コンデンサ、抵抗の交換追加などしました プリ部の電圧も考慮して電源回りも改造 大変でした |
無事終了です 飛び出してきた音はブルージーなオーバードライブサウンド 低域も腰砕けない感じです 歪は1959より低いですが、どのMarshallにも属さない音です お客様がYOUTUBEに曲動画上げていただきました marshall 1959 slp "1967 major mod Still I'm Sad / Rainbow Live in Munich '77 リッチーってブルースマンなんだと感じます ブルースからの影響が大きいからとても魅力的です ブルースは好き、だけどもっとハードな音楽やりたい そうだ!!無いなら自分たちでそのような音楽作っちゃえ!! カッコイイ、憧れます |