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エンパイア カスタム アンプリフィケーション(E-C-A)は
楽器アンプ、エフェクターの修理、製作専門とする公房です。

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              PETERSON P100G修理(repaire)
                 
  スピーカーはエレクトロヴォイスを搭載した2チャンネルのトランジスタアンプです
              トランジスタアンプですが、一度は弾いてみて欲しいアンプです
                               名機です

                

                    

         
本体の中はこの様に成っています
ポットの乗っている基板を外している途中です

今回は画像を多数撮っていないので、途中経過の画像が多いです

ボリュームポットは基板に乗っていて、コンパクトにまとめられています

今回の修理内容は
「ボリュームポットのガリと音量のダウン」
「LIVEで安心して使えるまでオーバーホール」です








お客様は「電源部分に発熱や焼損のリスクを抱えた基本構造」ということに
不安を感じていました

セメント抵抗部の発熱で基板が焦げてしまう所をおっしゃっていました
お客さん詳しいなぁ、どこで聞いたんでしょうか

パワーアンプ部の電源部をプリ部で使う電圧まで抵抗で落として
定電圧回路に入れてオペに電圧を掛けると言うことをしています
外国人はこのような回路が好きです
抵抗がチンチンに熱くなります、でも外国人はこの電源回路のやり方が好きですね
日本人だと「パワー部とプリ部はトランスのタップ別々に出さないと」と考えるのですが

基板裏から見るとこの様に焦げてしまっています
何らかの形で手を入れたほうが良さそうです



         
白く見える四角い部品がセメント抵抗です
この3個の発熱で基板が焦げてしまいます

抵抗と基板の距離が近いか焦げるのですから
基板から離すように固定するのが一番シンプルで効果的な修理になりそうです
抵抗の足を伸ばしすぎるとグラグラして根元の半田が割れます
抵抗をボンド止めすれば良いのですが、
絶縁と高温に耐えられるボンドを使用します










2枚目の画像はセメント抵抗を外した画像です
茶色く変色しているのは、基板が熱で焦げてしまった状態です

















3枚目の画像はお客様に送った画像です
下の板を基盤に見たたてサンプルのセメント抵抗をシリコンボンドで固定する
とこうなりますという画像です

色味は昔ながらの糊の様ですが、もう少し硬くて硬化すると弾力もあり
熱にもびくともしません
試しに半田ごて当てても問題有りません

信越化学工業良いボンド出してるなぁ(宣伝ではないです)








         
セメント抵抗を固定すると、このような感じになります

セメント抵抗の足を長めにして基板に取り付け
そのままでは抵抗がグラグラして
ハンダ割れや基板のパターン切れがおきますから
基板と抵抗の間にシリコンボンドを流し込んで固定します
セメント抵抗はかなりの高温になりますが
このボンドなら全く問題なく接着してくれます

エポキシ系のボンドなども試した事も有るのですが
これが1番良かったですね、ただ見た目があまりよくない・・・
表面が綺麗に成らないで、作り損ねのソフトクリームみたいにみたいになるのが残念です

         
次は電解コンデンサの交換です
右の電解コンデンサからパワートランジスタに整流された電流が流れ込みます
PERTERSONの中で一番電圧と容量が大きい電解コンデンサです
ここが一番ヘタリが早いと思います















右の画像は交換された電解コンデンサです
タイラップで電解コンデンサが動かないように固定します

チューブラタイプのトランジスタアンプに使える電解コンデンサを探すのは大変です
段々と入手し辛くなるんでしょうねぇ・・・












矢印下の3個も交換しました
2枚目の画像ではセメント抵抗は未交換状態ですね
3枚目では交換されています

平行して作業していたのかな、少し前の作業だから覚えていないです
画像の流れと作業進行が時系列になっていませんがすいません

プリ部はパワーアンプ部の電圧を抵抗で落として→安定化電源でさらに平滑化しています





         
最後の作業です、PERTERSONはボリュームポットのガリが出やすく
音量の上下、音切れなどの症状が出てしまいます
接点復活剤でクリーニングしても、すぐにガリが出てきてしまいます
今回は全てのポットを交換しました

こちらで使用するポットは少しシャフト(軸)が長いのでナットとワッャーで高さ調整して、オリジナルとツマミの高さが同じようにします
ツマミの高さが前よりも低かったり、高かったりしたら嫌ですからね
ナット1枚、ワッシャー1枚追加、このワッシャー1枚の高さがミソです
これでバッチリ同じ高さになります








2枚目の画像は交換した部品です
ボリュームポット、電解コンデンサ、抵抗、ジャック等も交換しました

















右が組み込んだときの画像です
ツマミの高さはバッチリです
美しいですね















PERTERSONはクリーンと歪の音の切り替えとMIXも出来ます
リバーブも付いています
トランジスタアンプと聞くと「歪チャンネルとかイマイチなんでしょ?音硬くない?」と感じる方も居ると思いますが
このアンプはクリーンも歪も両方いけます
トランジスタアンプと言うとローランドのJC120やYAMAHAのFシリーズを思い浮かべる方が多いと思いますが
PERTERSONも負けずに名機です
MIDツマミが2個有って良い感じで効いてくれます

この世に「PERTERSON復活ファンド」が有ったら、間違いなく投資しましょう
このまま無くすには惜しいアンプです
サウンドハウスとか限定生産でいいからで作ってくれないかな
その時は余計な物はつけないで、オリジナルに忠実でお願いします







         
各部チェック、クリーニングで無事完了しました

キャビネットもシースルー塗装で高級感有ります