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エンパイア カスタム アンプリフィケーション(E-C-A)は
楽器アンプ、エフェクターの修理、製作専門とする公房です。

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           Fender Pro Reverb Amp修理(repair)+グレードアップ 

                     パワー管6L6GC×2本のアンプです
                     今回は修理+グレードアップした作業です


         
Fender Pro Reverb AMPの修理です

中はこの様にハンドワイヤリングで製作されています

すごいですね、完全に手づくりです

ヒーターも丁寧に寄って配線されています
fenderギターとFenderアンプこの組み合わせが
「エレキギターの音」と言っても過言ではないのは
このようなアンプから音が出ているからだと思います



         
画像はチューブラ型と言われる電解です

電源基板はノーメンテ状態の為、電解コンデンサはパンクしています
赤丸部がパンクして液漏れした後が有ります

黒丸部分は頭が膨らんでいます
多分長時間使用すると液漏れやパンクすると思います

以前このような状態のアンプを修理している時にスタンバイスイッチ入れて波形チェックしていた時に「バン!!」と音がして電源基板から煙・・・
電解液が漏れて気化した煙でした

電解コンデンサは古くなると最悪ショートします、トランスから整流管を通って1発目の電解コンデンサがショートすると電源トランスが損傷します
そうなる前に電解コンデンサは交換した方がいいです
電源トランスを交換すると大きく音は変わってしまいまから
トランスが壊れる前に修理した方がいいと思います


下の画像がアップです
今まで良く動いていたなと思います



         

右の電解コンデンサがバイアス電圧を作る電解コンデンサです

「バイアス調整が〜」といわれる電圧を作る電解コンデンサです
マイナス電圧をダイオードとこの電解コンデンサで作っています
この電解コンデンサが壊れるとマイナス電圧が作れなくなるため
パワー管にバイアス電圧が掛からなくなります
そうなると・・・パワー管は真っ赤になります、そのまま使い続けると壊れます

         

電源基板の電解コンデンサ交換後の画像です

お客さまと相談して電解コンデンサはスプラグ製です
スオウラグは高価な部品ですです、電解コンデンサの種類は何種類か用意してます
全ての方にスプラグを推奨してしまう事は有りませんので、ご予算に応じたものを御提示いたします

スプラグの電解コンデンサって叩くと音が他のコンデンサと違うんですよ
リーズナブルな電解コンデンサが鈍い音するなら、スプラグって乾いた音
楽器屋で店員がストラトのボディ同士をぶつけた様な乾いた音(怖え〜)がします

「この電解コンデサ使えば憧れのあの音やこの音も出るよね!!」と言う音がします
オカルトでもなく本当なんです




2枚目はバイアス基板の電解コンデンサを交換した後です
容量の都合から、ここはRUBY(ルビー)製になりました



         

右の画像は左チャンネルの初段+トーンコントロールの所です

「あれ?」と思う人はマニアです、抵抗やコンデンサが国産等に変わっています
画像には写っていませんが、オレンジドロップが使われているところもありました

お客様に説明して「抵抗はアランブラッドリーに戻す、コンデンサもオリジナルでないところはマロリーに交換してグレードアップ」になりました

修理+グレードアップの作業になりました







2枚目は交換後の画像です
抵抗はアランブラッドリーコンデンサはマロリーです
カソードの電解コンデンサはスプラグ製です

上の画像見ると分かりますがカソードの電解コンデンサはマロリー製が使われていますね

下の画像見ると「おぉ!!,美しい!!」と思いませんか?

以前修理された時にコンデンサや抵抗が交換されていますがメーカーが混在の状態でした
基板全体が上の画像状態でした



         
オリジナルの部品は残して、混在しているコンデンサ、抵抗は全て
マロリーとアランブラッドリーに交換しました

元々この時代はアランブラッドリーが使われているから元に戻った状態です

基板の色が違うのには気付いたでしょうか?
このアンプはいつかは不明ですが、基板のベークの板が交換されています
ハトメの位置などはオリジナルと同じにコピーされている様です

誰がやったんでしょうねぇ?
マニアな人が「基板にDCが漏れまくっているよ、基板作り直したほうが早いな、作るなら完全コピーだ!!」と言う事だったでしょうか・・

パワーアンプ部周りの抵抗はオリジナルなので
基板を作った後にそのまま抵抗は移動したようです

         

最後に真空管の交換です

使った真空管はエレハモ/ソブテックです
エレハモの12AX7はリーズナブルな割に音は良いなと思います
ソブテックのWAを使うならエレハモ製を推奨します
ソブテックのWCは少し割高な分、音には反映されていますね
低域が良い感じです(ソブテックの事もフォローしてみる)

欲を言ってしまうと再生産のムラードや再生産のタングソルは
金額に見合った音が出ているなと感じますので推奨はしますが
交換時の金額がソブテックやエレハモよりかなり高額になるので
ムラードやタングソルに交換する方は少ないですね













右画像は一番左が整流管、右2本がパワー管6L6GCです



         

ノーメンテ状態のアンプだったので、プリ管のソケッとも3個、ポット1個、ジャック1個も交換になりました

今回は修理+グレードアップの作業でした
ノーメンテ状態のアンプ修理だったので、ここまで部品交換が増えましたが
普段はここまで交換はしないので、あまり驚かないで下さいね
見積もりの時に交換部品は詳細に御連絡してから交換作業いたします



         

測定器で波形を見てバイアス調整の幅を決めます
最後に音出ししながらバイアス電圧の幅の中で調整ポイント決めます
お客様は、余り硬い音は好みではないようです
「この辺りかなぁ、余りウォームにすると音の立ち上がりに影響するし・・・」
悩みながら決めます

御返却後
「ノイズは消えましたし
ブーミーだった低音(こういうものかと思ってました・・)が治まり、
音の粒立ちもかなり向上したように感じました」
と御連絡いただけました、気に入っていただけて良かった

無事終了です